フローリングの張り方あれこれ

2023-03-23 公開

同じ樹種でも、張り方次第でイメージが変わるフローリング。今回は、さまざまな張り方のバリエーションをお伝えします。おうちやお部屋の作りたいスタイルに合わせて、フローリングの張り方も変えてみると、表情豊かな空間づくりが楽しめますよ。


従来のフローリングのイメージ代表格
千鳥張り(りゃんこ張り)

りゃんこ張り

千鳥張りともりゃんこ張りとも言われ、おそらく日本で最もポピュラーな張り方。同じ長さの板を等間隔にずらして張っていく方法で、レンガと同じようなイメージです。整然とした印象を与えます。一方で、面積に合わせて決まった長さの板で収まるよう計測する手間がかかったり、余った端の板が無駄になってしまうなどのデメリットもあります。


無垢らしさを楽しむエコな張り方
乱張り

乱張り

長さが揃った板を千鳥張りのように規則正しく張るのではなく、あえてランダムに張るのが乱張りです。不揃いなところが逆に唯一無二な天然木らしさを際立たせます。乱張りは、千鳥張りに比べて施工の手間が少ないので大工さんも楽になるだけでなく、歩留まりがよいので木材の無駄も減らせます。ただ、設計図面に張り方の指示が特にない場合は、千鳥張りになることが多いので、乱張りを希望する場合はしっかりと図面に書いておきましょう。


ワンピースの魅力を存分に発揮
すだれ張り

同じ長さの板をすだれのように揃えて張る方法。つなぎ目が一直線になります。1枚板の長さが魅力のワンピースを使うなら、この張り方をぜひ選択肢に。板の贅沢な長さが映える、すっきりとした仕上がりになります。床面がごちゃつかずに落ち着いた雰囲気でまとまるので、いろいろなインテリアとバランスが取りやすいのもポイント。すっきり感を邪魔しない節が目立たない樹種やグレードがおすすめです。


縦ラインがポイントのフローリング界の韓流
朝鮮張り

すだれ張りに縦の板が入った張り方で、朝鮮半島の伝統的な方法です。古いお寺の御堂の床にもこの張り方が見られます。広いスペースで迫力が出る張り方で、縦板をうまく使って、空間をリビングとダイニングに分けるなどゾーニングに活かすこともできます。

直線の印象が強いので、スタイリッシュなスタイルと好相性。木目や節が控えめな樹種やグレードを選ぶとよりシャープな雰囲気に。長い板を使うので、寸法安定性の高い三層フローリングや複合フローリングが向いています。


空間のおしゃれさを底上げ
ヘリンボーン張り

ここからはデザイン性の高い、寄木張りシリーズです。

まずはヘリンボーン。細く短い板を山形に張り合わせる方法で、ニシンの骨のように見えることから「ヘリン(ニシン)ボーン(骨)」と呼ばれています。施工に手間はかかりますが、高級感が生まれ空間のアクセントになります。玄関ホールなどの狭いスペースに使われることも多いです。

同じヘリンボーンでも、板幅によっても違った印象に。


ヘリンボーンの派生系
フレンチヘリンボーン

ヘリンボーンの板は長方形であるのに対し、フレンチヘリンボーンでは平行四辺形の板で張りあげます。一般的なヘリンボーンよりもクラシカルな印象になります。


かわいくてどこか懐かしい
パーケット張り

複数の板で組み上げた正方形の寄せ木を、交互に張りあげる方法です。ひとつの正方形で1ブロックになっていて、木製タイルのようなイメージです。レトロな雰囲気や、クラシックなスタイルとマッチします。

張り方次第で多彩な印象を生み出す無垢材のフローリング。紹介した張り方をアレンジすれば楽しみ方はさらに広がります。フローリングは部屋の印象を大きく左右する部分。「こんな張り方のフローリングで空間を作りたい!」など、張り方もフローリングを選ぶときの参考にしてみてくださいね。

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